身体表現性障害を改善|痛みなくして快適ライフ

女性の医者

心の訴えに意識を向ける

海と女性

体に異常はないのに苦しむ

精神疾患の中には、病院で検査を受けても体にはこれといって異常が見つからないのに、さまざまな症状が体に現れるという病気があります。身体表現性障害もそのひとつです。この病気は若年層に発症することが多く、また患者のほとんどは女性です。身体表現性障害は五つのタイプに分けられます。一番目のタイプは、身体化障害というものです。これは30歳前くらいに発症した痛みなどの症状がその後何年もの間継続するという障害です。二番目は、転換性障害です。精神的なストレスなどを体に転換することからこう呼ばれています。三番目は、疼痛性障害です。患者本人にとっては耐えがたいほどの痛みがありながら、検査をしても病気が見つからないというものです。四番目は、心気症です。健康な人なら気にしないようなちょっとした体の不調や変化に対して非常に不安を感じ、自分は重い病気だと思いこんでしまう障害です。医師から異常がないと告げられても信じられずに、セカンドオピニオンやサードオピニオンを求め、自分が納得できる診断を欲して次々に病院を変えることがあります。五番目は、身体醜形障害です。文字通り、自分の容姿が醜いと信じこんでしまう障害です。身体表現性障害の患者は体に病気がなくともこれらのような症状を訴えますが、その原因が精神的なものだということをなかなか受け入れられません。そのため、医師から薬を処方されても心の問題が解決あるいは軽減するまでは症状が快方に向かわないため、薬に依存しやすい傾向があるので注意が必要です。

まずは苦しみを吐き出す

身体表現性障害の患者は、病気と偽っているわけではなく実際に苦痛を感じています。そのため、医師や周囲の人は、まず患者の訴えに十分耳を傾けることが重要であるとされています。痛みを訴えているのに取り合ってもらえないと、患者の状態はそこからよくなる方へと向かうことができないからです。痛みや苦しみについて本人の気が済むまで訴えることができれば、その後やがて患者は自分自身の状態をいくぶん客観的に見つめることができるようになります。この段階で医師によって病状が心理的な原因から生じているものであることを丁寧に説明されると、患者はずっと受け入れやすくなるといわれています。身体表現性障害の患者はもともと感情を抑圧する傾向の強い人が多いので、抑圧された感情が体にどのような影響を及ぼしているかをいったん理解し始めれば、症状はしだいに改善されていきます。このプロセスを抜きにして治療を進めようとしても、症状の原因が体にはないため、鎮痛剤や神経ブロックを使っても効果が見られないことが多いのです。しかし精神科や心療内科を受診して抗うつ薬などの処方を受けたことにより、それまで鎮痛剤などでは改善しなかった痛みが急に軽減したという例もあります。また、精神科などでは薬物療法だけでなく、心理療法などの治療法も行われます。これによって薬物療法をより効果的にサポートすることができます。それまでのように自分の体の痛みについてではなく、心に溜めてきていた苦しみについて医師などの他人に話せるようになるにつれ、心身ともに状態がよくなっていく患者が多くみられます。